ブルーシートを長持ちさせる方法|劣化防止・施工・補修をメーカーが解説

ブルーシートは、使用環境や施工方法によって耐用期間に差が生じるケースがあります。
法人のお客様からも、
「長く使うためのコツが知りたいです。」
「環境によって寿命は変わりますか?」
「どの耐候年数を選べばいいのか迷っています。」

といったお問い合わせをいただくことがあります。

ブルーシートを可能な限り長くご使用いただくためには、
劣化につながりやすい要因を理解し、用途に応じた施工や選定を行うことが有効 と考えられます。

本記事では、メーカーとして蓄積してきた知見をもとに、
“ブルーシートの寿命に影響すると考えられる要素” を整理して解説します。

ブルーシートが長持ちしない理由は?主な劣化原因を解説

ブルーシートの破損は、単一の理由で起こるというより、
使用環境や施工方法が重なり合うことで進行していく場合があります。
その中でも、特に影響が出やすいと考えられる要因があります。

ここでは、現場でのご相談や使用状況から見えてきた
「劣化につながりやすい代表的なポイント」 を整理し、
なぜ破損が生じやすくなるのか、その背景をわかりやすく解説します。

風による「はためき」が、劣化の引き金に?!

ブルーシートは、風で大きく揺れたりバタついたりすると、同じ部分が何度も引っぱられる状態になります。
これが “はためき” と呼ばれる現象で、ブルーシートの劣化や破れにつながりやすい原因のひとつと考えられています。

シートが揺れるたびに、
引っぱられる → 戻る → また引っぱられる
という動きが繰り返され、
特定の場所だけに負担が集中してしまいます。

こうした負荷が続くと、
素材が少しずつ弱って傷が入りやすくなり、
結果として ブルーシートの寿命が短くなる可能性があります。
屋外でブルーシートを長持ちさせたい場合は、風ではためかないように固定することがとても重要 といえます。

ハトメが少ないと、負荷が一点に集まりやすい?!

ブルーシートを固定するとき、ハトメの数が少ないと1つのハトメにかかる力が大きくなりがちです。
強い風が吹いたり、荷物の重さで引っぱられたりすると、
力がうまく分散されず、特定のハトメだけに負担が集中してしまうことがあります。

この状態が続くと、ハトメ周辺の生地が弱りやすくなったり、
破れのきっかけになってしまったりすることがあります。

ブルーシートを長持ちさせたい現場では、ハトメを活用して何カ所もしっかり固定し、
力が一箇所に集中しないようにする といった工夫が効果的です。

紫外線が、シートの強さを奪う?!

ブルーシートは屋外で使用されることが多く、
どうしても 日射や紫外線の影響を受け続ける環境にあります。
長時間紫外線にさらされると、表面が徐々に弱くなり、
傷が入りやすくなる・破れにつながりやすくなるといった傾向が見られます。

実際の変化としては、
・表面の色が白っぽく見える
・生地が硬くなる
・少しの力でもダメージを受けやすくなる

といった状態が起こりやすくなります。

屋外で紫外線に当たりすぎると、表面が割れるなどの劣化がおこります

こうした紫外線の影響を受けやすい現場では、
耐候性(紫外線への強さ)の高いブルーシートを選ぶことが、長持ちにつながる大きなポイント です。

特に、屋外での長期使用が前提の場合は、
耐候年数を確認し、環境に適したシートを選定することが重要になります。

温度変化が、シートの状態を変える?!

ブルーシートは、高温・低温によって生地の性質がわずかに変化することがあります。
こうした温度差が、使用環境によっては 劣化の進行に影響を与える場合もあります。

ただし、温度変化そのものが大きな原因になるケースは多くなく、
風によるはためきや固定方法など、ほかの要因と組み合わさることで影響が出やすくなると考えられます。

ブルーシートを長持ちさせるメンテナンス方法

ブルーシートは、使用中に傷や初期の破損が見られた場合、早めのメンテナンスを行うことで、
その後の損傷の広がりを抑えられる可能性があります。

ただし、メンテナンスだけで耐用期間を大きく延ばすのは難しい場合もあり、
あくまで 施工方法やシートの選定と組み合わせることで効果を発揮する取り組み といえます。

本章では、現場で実践しやすい“応急的な対処”としての補修方法と、
メンテナンスがどのような場面で有効になり得るのかを整理して解説します。

補修テープによる応急的な対処

小さな傷や初期の破損が見られた場合、
補修テープを使用することで ダメージの進行を一時的に抑えられる場合があります。

ただし、補修テープは根本的な強度を回復させるものではないため、
あくまで応急処置としてのご使用が適しています。

補修テープを使った修理方法

強風でシートが大きく揺れたり、
温度変化や環境要因によって素材が弱っている状態では、
ごく小さな傷や微細なダメージが広がりの起点となる 場合があります。

そのような軽度の破損を一時的に抑える際に役立つのが、
ブルーシート専用の補修テープです。

補修テープなら、軽度の破損まで手軽に補修

補修テープは貼るだけで防水性の低下を抑えられるため、
屋根養生
屋外での資材カバー
一時的に交換ができない現場

などで活用されています。

補修テープで初期段階のダメージをふさいでおくことで、
その後の裂けや破損の拡大を抑えられる可能性があります。

商品紹介

ここでは、当社が扱う 「ターピー 粘着シート」 をご紹介します。
耐候性の高い粘着剤を使用しており、ブルーシートのポリエチレン生地にしっかり密着。
屋根上での応急処置や長期使用中のメンテナンスにも最適です。

ターピー 粘着シート



ターピー 粘着シートは、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)素材の
ブルーシート・防草シート・カバー類の補修や連結に適した専用粘着シートです。
ターポリンやエステル帆布など、一般的なトラックシート素材にも使用でき、
幅広いシート製品の補修・つなぎ合わせに対応します。

貼り付け後、時間の経過とともに接着剤が生地に馴染むことで
粘着力がさらに高まり、補修部分をしっかり保持します。
また、防草シートの杭周りなど、隙間から雑草が生えやすい箇所の補強としても有効です。

・PE / PP製ブルーシート、養生シートの破れ補修
・テントシートやトラックシートの裂け部補強
・コンテナバッグの補修
・シート同士の接合・連結
・防草シートの杭まわりの隙間防止

メンテナンスの効果は限定的

補修テープによる対処は、小さな傷の広がりを一時的に抑えるには有効ですが、
シート全体の強度を回復させるものではありません。
ブルーシートを長持ちさせるためには、
適切な施工や、使用環境に合ったシート選定の方が効果が大きいと考えられます。

メンテナンスはあくまで応急的なサポートとして活用するのが適切です。

ブルーシートの正しい施工方法|より長く使うためのポイント

ブルーシートをできるだけ長くご使用いただくためには、
風による「はためき」を抑える施工が特に重要です。
はためきが続くと、特定の箇所に負荷が繰り返しかかり、
破損につながるケースがあるため、施工段階での工夫が効果的です。

以下に、現場で実践しやすい施工ポイントをまとめます。

ハトメの多いシートを選ぶ(力を分散させる)

トラックシートや工事現場の養生など、
ハトメで固定する用途では、ハトメ数が多いシートほど力が分散しやすく、
特定箇所への負荷集中を軽減できる可能性があります。

シートはなるべく“ピンと張る”

シートにたるみがあると、風を受けた際に揺れが大きくなり、
はためきが発生しやすくなります。

施工時は、たるみを残さず張る ことが効果的です。

ロープや結束材を使ってしっかり固定する

ロープ・ワイヤーなど、使用環境に合わせた固定材を活用し、
全体が均等なテンションで固定される状態 をつくることが重要です。

中間固定を追加すると安定性が向上する

大きな養生や広い面積を覆う場合は、
ハトメだけで全体を保持しようとすると負荷が片寄る場合があります。

そのため、
土のう袋・重り・押さえ材などを“中間固定”として併用 すると、
風の影響を受けにくくなり、はためき防止に効果があります。

養生対象とシートの間に“風の入り口”をつくらない工夫

シートの下部や側面から風が入り込むと、
内部で風が膨らみ、シートが大きく揺れる原因となります。

・下端をしっかり押さえる
・壁面や荷物に沿わせて張る
・隙間ができにくい施工を意識する


など、隙間をつくらない施工 が、
長期的な破損抑制につながる可能性があります。

耐候性とは?ブルーシートを選ぶ前に知るべき基本

耐候性は“使用期限”ではない

「耐候性3年」と聞くと“3年使える”と誤解されがちですが、
耐候性とは 紫外線に対する劣化スピードの目安 であり、使用期限を保証するものではありません。

使用環境によって寿命は大きく変わります。

厚み・耐久性・耐候性の違い|ブルーシート選びで最も誤解されやすいポイント

ブルーシートの性能は、
「厚み」「耐久性(物理的強さ)」「耐候性(紫外線への強さ)」 の3つで構成されています。
しかしこの3つは似て見えて、実はまったく別の性質です。


■ 厚み(番手)= 生地のボリューム。強さの指標ではあるが万能ではない
厚みのあるシートは生地量が多く、破れにくく、重さがある分はためきにくい という特長があります。
一方で、固定不足や強い紫外線環境では、厚くても劣化が早まる場合 があります。
厚みは有効な指標ですが、使用環境に合ってこそ効果を発揮します。

耐久性(物理的強さ)= 引張・突刺しに対する“力の強さ”
耐久性は、シートが 物理的な力にどれだけ耐えられるか を示します。
地面や資材と接触する場面、荷重がかかる用途では重要ですが、
紫外線や施工条件によっては、耐久性が高くても劣化が進むことがあります。

耐候性(紫外線への強さ)= 屋外で長期間もつ力
耐候性は、紫外線による劣化の起こりにくさ を示し、屋外での使用期間に大きく影響します。
耐候性が高いほど長期使用に適していますが、
はためきや摩耗が加わると、別の要因で劣化が進む場合もあります。

ブルーシートを長持ちさせるための選び方

次のような条件を考慮することで、
耐用期間を安定させられる可能性があります。

使用期間(短期・中期・長期)
・屋外/屋内
・紫外線の強さ
・風の強い環境かどうか
・シートの重量(重いほど、はためきにくい)

これらを踏まえたうえで、
耐候年数別に検討する選び方が有効です。

長持ちさせたい現場におすすめの高耐候ブルーシート

長期間の屋外使用や、日射・風の影響を受けやすい環境では、
通常のブルーシートでは耐用期間に差が出やすい 場合があります。
そうした現場では、より安定した養生・保護が見込める “高耐候タイプ” の選定が非常に効果的です。

高耐候モデルは、紫外線や外力に対して強度が落ちにくく、
結果として、交換頻度の低減・資材ロスの削減・現場の手間軽減につながる可能性があります。

萩原工業では、用途・使用期間・環境条件に合わせて選べる多様な耐候ランクをご用意しています。
ここでは、長持ちを重視した現場に特におすすめのモデル を厳選してご紹介します。

ターピー 10年シート


長期間の屋外使用や紫外線対策が必要な現場には、耐候性の高いシート選びが重要です。
萩原工業の「ターピー 10年シート」は、当社最高峰の約10年相当の耐候性を備えたプロ仕様モデル。
紫外線・風・雨に強く、長期養生や屋外保管でも性能が落ちにくい設計です。

精度の高い実寸仕上げと真鍮ハトメで、施工性と耐久性にも優れています。
長持ちするシートをお探しの方は、下記の製品ページをご覧ください。

ターピー ロイヤルUVメタリックシルバーシート


紫外線対策と長寿命を両立したシートをお探しなら、「ターピー ロイヤルUVメタリックシルバーシート」がおすすめです。
約7年の耐候性を持つ高耐候モデルで、遮光率は約99.9%。
大切な資材や作物を紫外線からしっかり守ります。

#5000クラスの厚みと、高強度・高耐候仕様は屋外の長期使用に最適。
メタリックシルバーの上質な質感で、景観に配慮しながら耐久性も確保できます。

長期養生・農業・工事現場など、紫外線に強いシートをお探しの方は、詳細ページをご覧ください。

ターピー 耐水シート#7000


長期間の屋外使用で「紫外線にも水にも強いシート」が必要な現場には、ターピー耐水シート #7000 が最適です。
#3000ターピーシートの約7倍の耐水性能に加え、約5年の耐候性を備えた高級国産モデル。
港湾・野積み・防水養生など“過酷な環境”でも長く使える、信頼性の高いシートです。

ODグリーン×ブラックの落ち着いた色味、または両面メタリックシルバーの選べる仕様で、視認性・景観配慮にも対応。
耐水性と耐候性を両立したシートをお探しの方は、製品詳細をご覧ください。

ターピー 法面・盛土 養生シート#7000


法面や盛土の長期養生には、耐水・耐候・耐荷重のすべてを満たす専用シートが必要です。
ターピー法面・盛土 養生シート #7000は、水深40m相当の耐水圧・約5年の高耐候性・引張強度270kgの耐荷重を兼ね備えた、
高性能オレフィンシートです。

ポリエチレン特有の軽さで作業負担を軽減しつつ、法面・盛土・切土をしっかり保護します。
施工性と耐久性の両方を求める現場に最適です。

法面や盛土の長期養生を検討されている方は、製品詳細をご覧ください。

シート選びも“長持ち”の重要な一手

ブルーシートの寿命には、
使用環境に応じたシート選定
はためきを抑えた施工
早期の補修対応
が影響する可能性があります。

用途に合ったシートを選び、適切な張り方を行うことで、
より長く安定した使用につながると考えられます。

萩原工業では、現場環境に応じたさまざまな耐候タイプをご用意しています。
最適な一枚選びの参考にしていただければ幸いです。

萩原工業のブルーシートは、用途に合わせて選べるラインアップ!
法人のお客様にも個人の方にもおすすめです。

オンラインから簡単にご注文いただけ、必要な現場にすぐお届けします。
また、オーダーメイドで特殊なサイズでのご希望も承っております。
※オーダーメイドや受注生産品場合、発送までお時間をいただきますことをご了承ください。

今回は、”ブルーシートを長持ちさせる”というテーマご説明しました。いかがでしたでしょうか?
ご不明な点等ございましたらいつでも気軽にご相談ください。

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